その優しさに用がある

良いものを見せてもらった。

月曜日の夜に21時くらいからボチボチとお客様が入りだし、テーブル席が埋まりつつありました。


そうこうする間に男性客４名が来店して、まとまったテーブルがないので窓側カウンターに横一列で座ることに。


注文はコーヒーとどこかで飲んできたのかなぁと思わせる雰囲気。

男性客４名の奥様とみられる方も２名遅れて来店します。


横一列っていう以外は特に変わった様子もなく、和やかに過ごしておられました。



３０分くらいして、お会計のときに、その６名様の年長者と思われるお客様が先頭にお会計という形に。

おそらくこの男性が支払いをするんだろうなと思いつつ、「ご一緒でよろしいですか？」と一応の確認をする。

そこに年長者の男性以外のお客様が割って入って「いやいやここは私が」「僕が僕が」と伝票を年長者のお客様から取ろうとする。


そこで年長者のお客様が一言ボソッと
「やかましいんじゃ、すっこんどれ、お前らなんてなぁ、まだまだガキやねん」
これは怒鳴ったのじゃく、ドスをきかせたのでもなく、凄んでるのでもない。

静かにサラッと言うのだ。

もう５０代くらいの大人の男に対してである。

ただ静かに、そして愛がある言い方なのだ。

「ご馳走様です！」なんて言いながら、年長者さんの着ていたコートの襟を直してあげたりする。

さらにレジ前のクッキーを３つ買って、奥様に持たせあげる。

決して高圧的な態度をとるわけでもなく、どちらかと言えば普通のお客様でした。


僕とサワキは「なんか良いものみせてもらったなぁ」と疲れた心じんわり解されたのでした。

上下関係が希薄なっているという昨今、やはり大人の男はこうあるべきではないでしょうか。

この場面では先輩も後輩も与えられた役割をきっちりこなしていて、台本道理なのですが、きっちり気持ちがよく、なんだか腑に落ちます。



お客様の店での云々をブログに書くというのは、褒められたことではありませんが、なんだか良いものだったので書いてしまいました。



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